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シリンダライナ

シリンダライナ

自動車やトラック・オートバイ、或いは船舶や貨物輸送のディーゼル機関車などは、気化した燃料を圧縮・爆発させた時のエネルギーを回転運動に変換する内燃機関、平たく言えば「エンジン」で動いています。エンジンは吸気→圧縮→爆発→排気を順番に繰り返しながら仕事をしており、爆発するときにピストンが下方向に押し出される直線運動をクランクで回転運動に変えています。シリンダライナはピストンの動きを支える円筒形の部品です。

様々なタイプのエンジンブロックに適合するように、大きく分けて鋳包み(いぐるみ)ライナ、薄肉乾式ライナ、湿式ライナという製品を製造しています。

Where are our parts?
どこの部品?

「エンジン」の内部にある円筒の部品が「シリンダライナ」と呼ばれ、エンジンブロックと一体となり燃焼室を形成する重要機能部品の一つとなっています。

製品種別

鋳包み(いぐるみ)ライナ(特許技術)

エンジンブロックを作る際にシリンダライナを同時に鋳込むことで、一体構造となるタイプのシリンダライナで、ライナの外周面がエンジンブロックと密着し、冷却水はブロック壁を介してライナの熱を伝達する為、ライナとは直接接触しないのが特徴です。

遠心鋳造法により、低コストで製造することが可能で、特にアズロック®ライナは外周面に括れのある突起によって、従来の鋳包み(いぐるみ)ライナに比べ密着性を向上させています。

主な用途として、乗用車のガソリンエンジン・ディーゼルエンジン(アルミエンジンブロック)に使われます。

アズロック®ライナはAL13とALH150の2タイプがあり、ALH150はAL13に対して、突起高さが低く、突起密度が高いため、ボアピッチの縮小・ライナからエンジンブロックへの熱伝達の向上といった効果が得られます。そのためALH150はエンジンの小型高出力化に有効な仕様となっています。

薄肉乾式ライナ

エンジンブロック内へ挿入して使用するタイプのシリンダライナで、ライナの外周面がエンジンブロックと接触し、冷却水とは直接接触しないのが特徴です。

薄肉のため、シリンダ間隔を小さくしエンジン小型軽量化が可能となっており、耐焼付性向上のためのりん酸塩被膜や耐摩耗性向上のための窒化仕様等が設定可能となっています。

主な用途として、トラックやバスなどの小中型ディーゼルエンジンに使われます。

湿式ライナ

エンジンブロック内へ嵌合(かんごう)して使用するタイプのシリンダライナで、ライナの外周面が直接、冷却水に触れるのが特徴です。その為、冷却水内での振動によるキャビテーションと呼ばれる腐食防止のために、外周面にクロムめっきや他のコーティングを設定することも可能となっています。ほかにも乾式ライナ同様、耐焼付性向上のためのりん酸塩被膜や耐摩耗性向上のための窒化仕様等が設定可能となっています。

主な用途として、トラックや建設機械、船舶、発電機などの中大型ディーゼルエンジンに使われます。

技術動向

アルミエンジンブロックによる軽量化に加えて、近年はエンジンの高性能化、低燃費化、小型化というニーズにより、冷却性能向上、ボア間ピッチ縮小、ボア間肉厚縮小などの傾向が強まっています。弊社のシリンダライナはこうした要求に対応すべく、アルミブロックとの密着性向上、薄肉化、低コスト化をはかっています。

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