韓国 Y&T

概要

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韓国/Y&T Power Tech., Inc                                                               製造拠点(シリンダライナ)                                                             韓国 忠淸北道 陰城郡 三成面 龍城里 959-1番地 陰城ハイ-テク産業團地                                               Eumseong-hightech Industrial Complex, 959-1, Yongseong-ri, Samseong-myeon, Eumseong-gun, Chungcheongbuk-do,Korea.

 

海外赴任者インタビュー

新関 隆

韓国Y&T(Y&T POWER TECH.,INC)の近況を紹介させていただきます。

Y&T-1.jpgY&Tは韓国中央部の忠清北道の陰城郡という地域にライナ工場、そこから南東側に車で3時間ほど離れた大邱市に焼結工場という2つの事業所にて運営されておりますが私はライナ工場のある忠清北道に駐在して約2年になります。各工場の従業員は2022年現在でライナ140名ほど、焼結25名ほどで構成されております。忠清北道と言うとイメージが分かりにくいかと思いますが日本では都道府県に相当する行政区域の一つで面積は山形県とほぼ同じくらい、人口は150万人くらいの地域です。田畑や山林が多く工業団地が多く点在しており、環境としては山形と似通った場所です。Y&Tの製品納入先は韓国国内メーカーのみで主に現代自動車グループ向けの製品が9割以上を占めており、シリンダライナについては月に200万本前後を生産しています。昨今はEV車の販売増影響でY&T-2.jpg内燃機関向け部品の需要減少が懸念されますが現在のところはまだ安定した受注がある状況です。現在の社内状況としては設備老朽化による不具合や慢性的な人員不足という問題を抱えているところですが設備更新や原価低減活動にてこれらの問題を解消しようと取り組んでいるところです。大きい取組としては老朽化した鋳造ラインの更新を2023年に予定しており、現在工事を進めているところです。Y&Tは駐在員が一人だけとなるため生産規模に対して細かいところまでは目の行き届きにくい面がありますが間もなく20年を迎える成熟された拠点ということもあって現地スタッフの生産運営レベルも高く、私が赴任して以降は大きなトラブルもなく運営できており基本的には優秀な拠点であると感じております。韓国語は分からないので現地でのコミュニケーションは通訳頼みとなりますが日本語をある程度話せる社員が数名おりますし、社員の方も皆親切に接してくれるので業務上は特に困ることなく助けてもらっています。また、私自身は鋳造分野の知見不足で困ることに直面することも多々あるのですが分からないことに対してはマザー工場であるTPR工業からの適切なサポートを多くいただいて対処しているので大変感謝しております。

 次に自動車部品を扱っておりますので気になるのは韓国の自動車事情ですが現在は他国同様にEV車の増加が目立ってきているところです。中国ほどではないかもしれませんが日本よりは確実にEV車を見かける数が多いと感じております。テスラや現代自動車のEVは地域を問わず頻繁に見かけます。韓国車が多いのは当然ですがインポート車の率も日本よりは高く、ベンツ、BMW、米国車、日本車も多く見かけます。日本と同様に特にドイツ車の人気が高いようです。オートバイについては韓国メーカーよりも圧倒的に輸入車の方が多く、実用車はホンダが多く、嗜好用の大型車はほぼ100%が輸入車でハーレー、ドゥカティ、BMW、日本メーカーのものが数多く見かけられます。旧車はほとんど走っておらず最近のモデルが多いので大型バイクはこの数年で急増しているのかと推測されます。韓国ではオートバイの高速道路通行は禁止になっているので観光で高速道路だけを移動しているとほとんどオートバイが走っていないように錯覚してしまいますが一般道や街中では日本と同様くらいは見かけます。 

Y&T-3.jpg 続いて生活の状況ですが私自身は韓国に来るのは赴任時が初めてであり、コロナ渦中の赴任のため前任者からの生活情報引継ぎもできなかったことで不安なところもありましたが生活環境は日本と大きくは変わらずあまり困ることはありません。自宅周辺のコンビニ、スーパーマーケットで食材調達をしますが日本の調味料、ビールなども売っているので普段の食事には困らず、日本から食材を送ってもらう必要もありません。ただ、外食については韓国の文化として独り飯は基本的にしないということもあって店に入っても2人前からの注文となってしまう店が多く、一人で行ける店が限定されてしまいます。最近は日本Y&T-4.jpgドラマ「孤独のグルメ」の影響もあって都会では一人で食事できる店も多くなってきてるようですが私が住んでる街ではまだまだ少ないです。なので自ずと自炊での食事がメインとなります。料理そのものについては日本にも韓国料理屋、焼肉屋が多いので敢えて紹介しなくても大抵の方は分かると思いますが現地でも日本の店と似たようなメニュー構成かと思います。サムギョプサル、ホルモン、ビビンバ、クッパ、冷麺、チゲ、チヂミ等が一般的です。日本ではなかなか食べられない料理としては牛レバー刺しやユッケ、海鮮料理としてはタコやイカの踊り食い(動いてる刺身)などが身近に食べることができます。

Y&T-5.jpg韓国の季節感については日本と同様に四季が明確で春は桜、秋は紅葉と雰囲気的にも日本と非常に似ております。冬は山形よりも気温が低く、寒い日はマイナス20℃前後になる日もありますが降雪はあまりなく、体感的な冬の厳しさは山形と同じくらいの感じです。ソウルなどの街中Y&T-6.jpgの様子は韓国ドラマや映画が多く配信されているので分かる人は多いかと思いますが忠清北道のような田舎は山形と同じようにのどかな景色が多く、きれいな渓流などもあります。もし、山形から観光で訪れるなら田舎は景観が似すぎているのでソウルの方が違った雰囲気を楽しめるのかとは思います。

Y&T-8.jpg最後に海外では仕事するにも生活するにも慣れない環境の中で健康を維持することが一番重要であります。韓国に来てからは幸い体調不良になったことはありませんが辛い韓国料理をしっかり食べて引き続き健康な状態で仕事に励み、韓国生活を楽しめるようにしたいと思います。